番外編 スカーレットネクサス1週クリアしたからレビュー

 

スカーレットネクサスがXboxGamePassで出来たんでちびちびやってました。

すんなり飲みこめないタイプのトコロも多いけど、全体としては丁寧に作られた良作だったでよ。取り敢えず、カサネ編だけはクリア。

折角だしついでに久々にじゃあレビューを書くぜよ。



■ストーリー

日本によく似た世界を舞台に、怪異と呼ばれる謎の生命体と戦いながら、主人公達の特殊な力を巡る様々な事象や物語を追っていくARPG。

本作ではカサネとユイトの主人公どちらかを最初に選択してそれぞれのシナリオを体験していく。

ストーリー単体としての評価はかなり面白かった。日本式サイバーパンク亜種という感じの世界観も含めて、丁寧に作り込まれており、没入感も高くストーリーを追うのは非常に楽しいと感じた。一方で、ストーリーは基本キャラモデル達の紙芝居でのみ進むため、低評価組の紙芝居評価もわからなくない(おっさんはこういう紙芝居は好きなので全然良いが)

多少ツッコミどころ……というか気になる点や残念な点も多かったけど、一応サクッとだれずにクリアしに行きたくなる程度にはプレイしてしまったので、まあその辺があっても及第点って感じだろう。欲を言えば、世界観内の設定のアーカイブなどが無くて設定がわからんポイントが多かったのでその辺のヘルプは欲しかったかなとは。

あとの気になったところとかはネタバレ箇所に書くとします。

ネタバレ無しで一部書くと、一部パーティ外のメンバーの絆エピソードしてるタイミングとか、ストーリーのスピード感に対して主人公の心情描写が追い付いてなく感じるところは、おっさん気になってしまった。


■キャラ

CGとかキャラ設定とか含めて文句なしだった。全体的に良い感じに適度に個性の立ってるキャラで作られていて、キャラにはとても愛着がわく。

特にシデンは初期こそ不快なプライドの高いキャラのように描かれるが、ストーリーを進めて関係を深めていくとまた違った感想を得られて味わい深かった。

この辺のキャラ付けはよく出来ていたと思う。


■アクション

うーんスタイリッシュ。基本的にはスタンダードなアクション操作に、念動攻撃というオブジェクトを念力で投げ飛ばす攻撃を絡めて繋げていく、スタイリッシュアクション。

キーボードプレイだったが、慣れてくると簡単な操作でバシバシ敵をしばけるので想定してたよりは楽しかった。

ブレイクゲージを削ってしまえば敵は一撃だし、脳内空間展開でめんどい敵はしばけるので、テンポもそこそこ。

悪かった点は、まあ概ね他のレビューと同意見で、弱点部位が存在するわりにロックオン機能が大雑把に本体中心でしかロックオンできないため攻撃が制御しづらいことと、後半に入ると同じ敵かつめんどい硬い敵相手ばかりになってダレるところ。

他では念動するためのオブジェクトがロックオンしながらだと選択しにくい(特に特殊オブジェクトは視界内にあっても他のオブジェクトの干渉とかで反応し難くてちょいちょいイラっとする)ことと、キーボードだと中盤以降結構操作が忙しい上、WASD範囲指の完全管轄外みたいなキー押下を要求される(しかもキー割り当てが多いので変えにくい)ことか。

アイテムの切り替えが5、6キーはエグいて。


■音楽

文句なし。ミヅハ川のBGMとか最高だった。


■ネタバレ無し総評

どこかのレビューでも見たような気がするけど、かゆい所に絶妙に手が届かない良作、かな?

めちゃくちゃ出来が良いとは感じるんだけど、手放しで褒められない点が結構チラホラ目につく感じで、その辺でポイントを落としてる感じ。

ストーリーも特に致命的な穴はないけど、大きくすげぇ!と興奮するような予想外もなく、盛り上がりの波としてはわりと淡々と進行するため、全体として言うとアドレナリンのドパ度は低め。

またネタバレを絡めずに書くのは難しいのだが、最初からとある人物二人についてシステム的なところから露骨にこうなるだろと推察出来てしまう部分がある。

これを回避する手段はプレイヤー側にはなく、通過点として受け入れなければならない(主人公達にはそれを変え得る手段を持つが諸々から取らない)という、非常にプレイヤー感覚として「えぇ……(困惑)」となるストーリー要素がある。

ここに関しては明確に制作者の意図と、プレイヤー側の心情が絶対かみ合わないし失敗してる展開だなぁと感じた。ストーリーに過度な期待を寄せるとそういった面で痛い目を見るかもしれないし、個人の感想なのでそうでもないかもしれない――。


大体ネタバレ無しレビューは以上。

以下はガンガンネタバレと批判的意見がある評価だから、イヤな人は回れ右して欲しい。

ちなみに、正直マジで惜しい……というか、個人的なストーリーのそこだけテコ入れして欲しかったという、血の涙が滲むような無念の衝動に突き動かされて書いてる系男子なので、めっちゃ書き殴りで推敲イマイチだけど悪しからず。


■ネタバレあり感想

以下は、個人的な良き点、気になった点。


・良かったところ

上で大枠の評価は大体書いたが、レッドストリングスを巡る没入感の高いストーリーは概ね良かった。

思った以上にサブキャラ達も活き活きとしており、2人の主人公のために頑張ってくれたのもGOOD。スト-リーの流れ的に首をかしげる所はちょいちょいあったものの、サッパリとプレイ出来る作品だった。

アクションもシステムを理解すれば敵を破壊するのが楽しくなってくるのはグッド。


・個人的に気になった点(めっちゃ個人の主観)

レッドストリングス(時間跳躍能力)が主題である必要性はあったけど、それが活かされていたかは疑問に残るストーリーだとか、怪異とか含めてふんわりしたまま終わらせる気満々のストーリーだとか、メイン級キャラなのにセリフや立場やメンバーキャラじゃないことから死亡フラグビンビンなことが開始時からモロバレなナオミお姉ちゃんのストーリーとか

これは、もう何というか……。大筋として時間跳躍で生まれたブラックホールが問題の因果の開始となっているわけだが、そのせいで主人公達はこの能力について延々否定的な意見しか延べないから、話の広がりに乏しいのが惜しい。

そもそもクナドゲートによる崩壊に50年(ゲートを閉じるのにはもっと短い時間じゃないとダメだろうが)は余裕がある中で、1年どころか1か月経つかも怪しい物語中で「時間跳躍完全否定で解決せな!」とか答えを急ぎすぎやろお前ら……。

いやどこかでその理由は語られてたのかもしれないが、取り敢えずザッとプレイした感じは気付かんかったので。

時間跳躍を使わないことが、クナドゲート発生に対しての時間跳躍で起こりうるリスクや倫理観とか(その割に過去のレッドストリングス脳力者に会うために飛ぶのはOKとかいうゆるゆる判定だが)で、あんまりその時点で性急な必然性がないせいで、方法を模索しないことへの説得力が薄いし、それで悲劇に対して納得しろというのは少々強引というか、プレイヤー側の共感をぶった切りすぎかなとは思う。

わりとそういう細かな納得を省いてる点だと(尺上しゃーないのだが)カサネの心情周りにも結構多くて、ユイトを殺す決意をした辺りから心情描写が尺に追い付いてなさ過ぎて、敵対者と絆エピソードして堂々と引き抜こうとしたりするとか「この女、頭大丈夫か……?」と思わざるを得ないところが多々あったり、あれだけ固執してたわりにお姉ちゃん死亡後(カレンとのいざこざがあるにしろ)わりとすぐケロっと立ち直ったり(これはどん底に落ち込まれてもプレイヤー側としては立ち直るストーリーを結構追わないといけなくなるので困ると言えば困るのだが……)、それが何故かはキャラ性格やちょいちょいあるインターバルイベントで察することは出来るけど、プレイヤーキャラの割に心の機微をイチイチ察してあげないといけない場面が多すぎる気はした。


次にナオミ周りについてだが、もう「お姉ちゃんから託された今を大事にする」っていう決断のために殺されるだけのキャラって設定されてるのが初めからモロわかりなため、個人的には『助けられないし死ぬのほぼ確定』みたいなキャラを延々追うストーリーが続くのは非常にストレスだった。

またお姉ちゃんを助けられるかもしれない手段があるのに何も講じようとしないので、設定上の方向性を理解は出来ても、結構共感しにくい内容になっている。(物語上、改変をしないことを主題に据えているため、ひと口に否定もし難いのだが……)

実際人に依るとは思うが、手段はどうあれ最後まで全力で過去改変を為そうとしているカレン連隊長の健気さの方が、冷静に考えるとわりと共感出来るのではないだろうか。

まあ歴史改変を自分達の都合でしないという点では、一本筋の通ったストーリーではあった。が、その結果クナドゲートの消滅以上の結果はなく、あまりカタルシスはなく、「あー、終わったわ」という何か流れ作業的に終わりを感じる結末だったのは、残念だった。
カレンが最後起こした奇跡や可能性をカタルシスとするには、あまりに後味が悪いし、逆に可能性が見えたせいで「いや、君ら……もっと何かできたのでは?」ってなるし。

ナオミお姉ちゃん周りという話に戻すと、せめてエンドで復活してくれれば時間跳躍ものらしいカタルシスを得られたのに……! という残念感がすごかったよねというお話。

本当、クナドゲートと断絶の帯が消えたからサッパリと解決したよねってエンド設定したヤツは出てきて欲しい。お前に俺はナオミお姉ちゃんがいかに良いお姉ちゃんであり復活すべきだったかこのレビュー分くらいの文字数を書いて渡さなければならない。

クソッ、本当ナオミお姉ちゃん死亡なんて、なんて非道で残酷な仕打ちをこの俺にするんだバンナムの野郎は……ッ!
バンナムまで矛先飛んじゃったよこの人。


後は、怪異とかの設定周りのお話。

この辺は続編とかも考慮してわざとふわっとさせてるんだろうが、色々煮え切らない話が多いとは思った。

そもそも怪異ってなんじゃ?ってのが『獣粒子があれそれで月がどうの~でもそもそも獣粒子ってのはなんなのかわかんないね』とかいう、広げた風呂敷に対して、畳む気ないとこが広すぎて……怪異化にしても、結局治す手段はうやむやのままだし。

月関係はまあ続編とかそういうのだろうが、それにしてもちょっともやもやしすぎな気もする。

まあとはいえこの辺はふわっとしてるのもやむなしってところなので、これ以上多くは言わないでおこう。


・総評

ナオミとナギに関してはもうちょいどうにかならんかったんかね?

敵対してても普通に絆ストーリーしちゃうとことか、レッドストリングスに対しての性急すぎる答えとか、重箱の隅のようなところを抜きにしても、そこだけは本当気になった。

プレイヤーに多大なストレスを与える割には、ストーリー上ではそれを経て今を生きる意志を固める……くらいにしか寄与しないため、プレイヤーが「いや過去改変は(シュタゲ的にも)悪くないやろ……世界を騙すべきやろ……」と思ってるタイプだと、2人のために過去改変しちゃいけんことに必然性や強い説得力がないのも相まって、全くその辺は主人公に共感できずにずっとモヤっとしたままプレイし続けることになった。

そもそもラスボスが自分を犠牲にして過去改変を為しちゃってるのをエンドで見せられるの、完全に主人公達の検討不足努力不足感あってカレン連隊長の努力を何も聞かずボコって良かったんかお前ら?(真顔)って逆に結構マジで真顔になってしまったわい。

カレン連隊長と協力すればよりよいシュタインズゲートに辿り着けたのではお前ら?


とまあ、かなり面白かっただけに不満点も特に際立って感じてダラダラ書いてしまった。

重ねて言うが、ゲームの出来は良かったし丁寧な作りで面白かった。

不満点は、(個人的には)本当ここさえ解消してくれれば、めっちゃ清々しくプレイできたのになぁ!という無念からの一筆であって、わざわざ不満点を書きたくなるくらいには面白い作品だった。是非、プレイして欲しい一作である。

【PS4】SCARLET NEXUS



コメント

このブログの人気の投稿

P3Rクリアしたぞ-

己鯖 今期の問題とか

ぶっ飛ばす