テイルズオブアライズめっちゃ面白かったよね

 

アライズめっちゃ面白かった。


■各評

わりとネタバレがあるので、まあやってなかったら見ない方が無難かも。

〇ストーリー

中盤、というか各領将をしばき倒すまでは完璧なくらいに面白かった。

やってること自体はまあ同じなので若干いつ話が転にいくのかとは思いつつも、ワクワク感を損なわない絶妙な展開で満足。

不満点はやはり後半の展開というか、領将達を倒すことで積み上げてきたカタルシスを損なう展開というか。
ネタバレだからあまり深くは書かんけど、振り上げた拳をなんかよくわからん第三者にぶち込んだ気分になる超展開(一応シナリオ中ではそこそこ丁寧にそうなりそうかなってのは示唆されてはいるけど)のため、あまりスカッとしない上、結局黒幕でもなんでもないお前とも戦わされるんかい!!っていう、(個人目線ではあるものの)非常になんとも言えない展開が続くのはちょっとアレかな。

あとゲーカタにもあるけど二部に入った時点でストーリーの7、8割が実は終わってて、『まだ5割くらいでしょ』って思ってたら駆け足でラスボスまでのストーリーを始め出しちゃって、取り敢えず入ったダンジョンがマジのラスダンだったという肩透かし感というかシナリオのボリューム配分感もアレ。

全体としてはよくまとまってて面白かったんだけど、なんか個人的にはやはりその辺のボリュームレベルに対しての起承転結の転の部分があまり納得いかんかったというかなんというかでした。

いや、ストーリーとして伏線の回収はわりと綺麗にされてるし、そうなる展開示唆もよく示唆されてるほうで、超展開っていっても意味不明な方の超展開では全くないんだけどね? 心情的にやはり振り上げた拳はちゃんと悪役にぶつけたいというか、ぽっと出の上自分のこと微塵も悪く思ってなさそうな第三者にぶつけてもスカッとしないじゃん? グレイセスみたいに理由がラスボスにも色々あっても「ラスボスや、お前を倒さないかんのや」ってなるのを積み上げて欲しいというかね、うん。これするならやっぱもうちょい2部の話を掘り下げてくれんとなぁ。

そんな感じ。でもみんなでハッピーエンドなのでよかったよ本当。


〇バトル

ご飯三杯いけるテイルズ。バトルしてるだけで楽しい。

アルフェンのアクションが死ぬほど楽しい上、炎の剣のアクションでHPが削れるのはハイリスクハイリターンなものの、それが戦闘のスリルにも一役買っててヨシ。

AGの消費が技にしか依存せず、通常攻撃は別に回数カウントを持ってるのも、かなり良好ポイントで、素殴りと技の連携が実用的になったのも非常にありがたかったポイント。

今までのテイルズでは必死こいてコンボのためのあれやこれやをしないと出来なかったことが、脳死で出来るようになったのはそれほどコンボが得意でない俺のようなプレイヤーには助かる要素だった。

CP(旧作のTPに近い概念をもたされている消費コスト)については、回復や補助などの特殊な術の使用時にのみ消費されるコストなんだけど、コスト回復手段が基本的に各種休憩手段が主になっており、アイテム(オレンジグミ類)でのCP回復はコストに見合わない手段になっているのが所謂TPと同じくフラストレーションポイントにはなっている。

ガルドの入手手段の関係上、消費アイテムは軒並み高額に感じるラインの値段設定になっており、セカンドでストーリーを開始すると、一生金欠な上に、敵がそこそこ強いせいでアイテムもカツカツな状態が解消されないままエンディングにいく。マジで。

高難度で開始しているせいもあるとはいえ、ちょっとこの辺りは未完成気味というか後述する仲間AIの感じや、アルフェン個人の問題だが炎の剣と相性が悪く、CPがないから戻る→進む→CPがないから戻るの繰り返しになりがち。

あとは先述した通り仲間AIがちょっと絶妙によろしくない。ショートカット操作が廃止され、任意での仲間技発動はメニューからの指定になったのだが、それで作戦周りが細かくなったりAIがかなり強くなったかというとそうではないため、どうにもストレスが貯まる状況があったりする。

よろしくないとはいっても勿論最低限、回避とか詠唱中断とか含めて必要なことはほぼしてくれるのだが

・作戦の指定HP割合のきざみが大きい(25%刻み)ので、難易度やボス戦に合わせた回復と攻撃の一番良い比率を指定し辛い。

・作戦が全体作戦のみなので下がって欲しいヤツと下がらんでいいヤツの指定が出来ん。特にリンウェルは近接技のオートを切っていなかったせいとはいえ、魔法を主軸にするタイプなのに迂闊に近づいた上、レンジを考えず魔法を撃つこともするので、NPCがジャスト回避をできるわけもなくクリアまで通して回避や逃げ失敗でガンガン落ちやすくなってる。

・術仕様のせいかは定かではないが、作戦指定のHPを割ったり死者が出ても仲間が即座に回復術を優先しようとしないことが往々にしてある。戦うなや。レイズデッドしろ。ファーストエイドしろ。

・どうしてもAIでは対処出来ない攻撃も多い。アルフェンもシステム上ゴリゴリに死にやすいため、CPは常に枯渇気味になる。結果的に炎の剣を使い辛い状況が形成されがちで、システムとの噛み合いが悪い。

とAI関連のストレスポイントがチョロチョロあったり。明確にAIが悪いとまでは言えないけど、やはり小回りの利かないポイントが多いのはダメだと思う。特にリザレクションのような消費が激しいけど特定タイミングでは絶対に使って欲しいものに関しては、オート使用を切ってメニューから使用しなければならないのでちょっと煩雑。

今作のボス戦も他作と変わらず難易度は雑魚戦から跳ね上がって高めという傾向なので、この辺りのストレスポイントをモロに食らいがちなシーンが多い。

その辺差し引いても、スピーディーかつ今までのテイルズの良い所を集めた戦闘システムで面白いのは間違いないんだけどな!


〇キャラ

・アルフェン

おめぇ……最高の主人公じゃねぇか(感涙)

王道主人公タイプで不快感なくずっと仲間を引っ張っていける、テイルズでは珍しく大人寄りの主人公。仮面が完全に割れるの結構早かった感。

惜しむらくというか、メリットデメリットというか、青臭い点と老成している点がうまく同居しすぎて、ジュードやルークのような上げ下げの感情の振り幅はほぼないんで安心して見られる反面、ボロ泣き出来そうなほどまでは感情が揺さぶられなかったこと。比較的大人の男性として安心して見られるのはそれはそれで助かるんだけどね、うん。

・シオン

おめぇ……良い女じゃねぇか(感涙)

序中盤、本人の特性の問題でツンケンしまくりのうえ、デレそうでデレねぇを繰り返すためややじれったいが、不快なラインをギリギリ踏み越えない塩梅だったのは助かった。

料理関連のサブ話やメシに対して異常な執着を燃やすあたりもトゲトゲしい本人のお間抜けポイントで、プレイヤー視点で見た時のキャラへの潤滑剤として利いていたと思う。

アルフェンと末永く幸せになってくれシオン……。

・リンウェル

おめぇ……良い子じゃねぇか(感涙)

子供らしい敵愾心でずっと「レナはああだ!レナはこうだ!」って言い続けるポジションのため、若干何度言うねんって感じはあるものの、ダナ人かつ個人のキャラ背景的に仕方ないし、基本的には良い子なんだなってのが見え隠れするので、アニスよりは不快にならないタイプのポジションかな。

アウメドラの前で茶番してたのは、お前ら死ぬぞ感があったが^^;

中盤の佳境くらいからはすっかり良い子になってしまって、ロウと合わせて良いムードメーカーポジションに落ち着いたと思う。あと3Dモデルがめちゃかわいいよね。

・ロウ

おめぇ……良い男じゃねぇか(感涙)

加入の経緯がちょっと微妙なのを除けば、最初から最後までムードメーカーでアルフェンがヘタった時にもしっかり発破をかけるなど、良い男仲間キャラしてた。

加入の経緯周りは恒例の説明不足や描写不足も含めてマジで損をしていて、親父憎しで諸々やって親父を敵に差し出したくせにいざ処刑になったら突然「やめろ!」ってなって、親父が死にかけたら「親父、死なないでくれ!」って感じで、お前のせいでそうなったのに今更なんでやねんっていう、ストーリーにおける説明不足をくらった筆頭。

いや一応わかる。説明が端折り気味でも経緯は察して全然わかる。親父に死んでほしくなくなったというクソデカ感情があるのも察せられる。でも、親父が死んでしまって「親父の仇を取る!(キリッ)」って時に「俺のせいでこうなってしまったけど」みたいな、自分のせいだと認識している気の利いたセリフの一つも出ないので、「今更お前が仇取るみたいな雰囲気だすなや」感が非常に強かった。

一応、その後のストーリーや個別スキットで父親に対しての想いや後悔、行ったことの慙愧の念を聞くことは出来るので、しっかりフォロー自体はされているのだけど、やはりジルファ死亡までの経緯はかなり身勝手だしお前自分のせいと思ってんのか?って感じの描写なので、もやりポイント。

そこ以外はマジで良い男。リンウェルと幸せになってくれロウ……。

・キサラ

おめぇ……良い忠臣じゃねぇか(感涙)

面倒見のいいカーチャン気質のサバサバイケメン女子。

わりと身内内の揉め事が解消されつつある頃の加入なので、釣り好きとかカーチャン要素とかブラコン要素とかネタ方面のピックアップが印象に残りがちだった。
とはいえ加入前のミキュダ死亡時の妹としてのキサラさんや、テュオ様に対して複雑な想いを解消できず、でもテュオ様に復讐したいなどの想いも持てないので消えて欲しいと告げるシリアスキサラさんも良かった。すき。

テュオ様とは凸凹コンビだったりナイスパートナーだったり色々良い意味で良いコンビしてる。

特にストーリーとしてのキャラの不満はないのだが、彼女のブーストアタックはリンウェルと同じで受動的に出さないと効果を十全に出せないためタイミングが激ムズになっているのがアレ(リンウェルは受動的ではあるものの、ターゲッティングに関わらず詠唱中の敵であれば全ての敵を封殺出来るので、そういう意味でもPT内で最も扱い辛い)

ターゲッティングの都合や敵の突進が想像以上に速いため、意図して防ぎきれないパターンが多い……。一応素出し、失敗出しでも味方の防御が上がるとかの副次効果があったと思うから、無駄ではないんだけど。

・テュオ様

おめぇ……良い領将じゃねぇか(感涙)

未プレイ時は「なんでこんなヤツが人気投票1位取ってんの?(不服)」

という感じだったのだが、プレイ後は一転して「テュオ様なら1位でもいいわ(納得)」ってなるくらいにイケメンだった。

善政を敷いていた理由や自虐的なところ、部下の管理不足など、必ずしも褒められないところはあるものの、「明確に善人で、やってることも明確に善政で、でもそこに至ってる理由が人間的かつ個人的」という、テイルズ善人でこのパターンはいなかったんじゃないかタイプ。

全く悪いことしてないし寧ろ非の打ちどころのないくらい良い事しかしてないのに、行ってる理由が人間的過ぎて(ミキゥダやキサラの願かったものが、テュオ様の身勝手な理由で生み出されただけの仮初であり、それを願われてもテュオ様は答えられないという状況だったとはいえ)ダメ出しされてしまった稀有な人物。

敵側の将でありながら裏要素もなく比較的しっかりとした善人で描かれて、加入後はサブイベでもレナ人とダナ人の行く末のために尽力したりしてて、当初の予想よりキャラとして好きになってしまった。

二部ではレナ人かつ領将ゆえの諸々や過去にもスポットが当たって意外と見せ場が多い。


■総評

非常に良作。バトルもストーリーもどっちもテイルズシリーズの中でも高水準で、シリーズ作特有のTPに悩まされることもないため難易度を無難なところにしとけばストレスなく遊べると思う。

一方で、高水準とは言ってあくまでストーリー全体を指して言えばで、1部2部の区分けをした場合2部の出来には難が残る。

2部のボリューム感というか割合というかだったり、黒幕のコレジャナイ感だったりラストのラストで起きる2連戦の「いや今更結局お前とやるんかーい」だったりとか、後半はどうにもストーリーとしての精彩というか、起承転結の転結におけるカタルシスをイマイチ欠いてると感じる部分も多かった。ストーリーとして面白いは面白いんだけど、出して欲しかった料理とは違ったというか、「次がそろそろメインディッシュか?」と思って食べた料理がメインディッシュでモヤったというかね、うん。
できれば星の意思なんて曖昧過ぎる対象がラスボスなら、もうちょい2部を掘り下げて欲しかったな。星の意思に従属しちゃってるヤツらも、思わせぶりに引っ張ってたわりに結局ただの雑魚敵以上の掘り下げはなかったし。

ヴォルラーンに関しては、それで出てくるならいっそ黒幕にでもなってくれた方が掲げた拳も振るいやすかったろうし小物感もなくなったろうにという感じである。本当。

この辺の残念要素とかコレジャナイ感はなんか近作のスカネクでも近しいモノを感じたんだけど、一応どっちもチームとしてはテイルズチームだけど制作体制自体は別っぽい? それにしては、微妙に歯切れが悪い評価を残さないといけないポイントが絶妙に似ている。

スカネクと違って基本的には手放しに良作と言える一方、スカネク同様一歩惜しいという評価もつけざるをえない作品だった。

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